「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」に伴う基準点測量成果の取り扱いについて FAQ

2018/2/22更新  


公共測量に関するQ&Aはこちらをご覧ください。

Q1 測量成果を停止しているすべての三角点、水準点の改定成果が公表されるのでしょうか?

【三角点について】
成果停止地域のすべての三角点の改定成果が公表されるわけではありません。次の三角点が対象外となります。
  1. 福島第一原子力発電所事故に伴い設定された警戒区域(富岡町、大熊町及び双葉町(全域)、浪江町及び葛尾村(ただし、原発から20km以内の区域に限る。)の三角点 (対象区域はこちらを参照)
    ※大熊町は平成24年12月10日に警戒区域から、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に再編されましたが、測量作業が実施できていないことから引き続き成果を停止します。
  2. 今後、再測量作業を実施することが決定している三角点
  3. 補正パラメータが一定の精度を満たさないと評価した地域の三角点(改測したものを除く)
  4. 平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震の震源付近で東北地方太平洋沖地震の前から成果を停止している三角点

【水準点について】
成果停止路線のすべての水準点の改定成果が公表されるわけではありません。次の水準点が対象外となります。
  1. 福島第一原子力発電所事故に伴い設定された警戒区域(富岡町、大熊町及び双葉町(全域)、浪江町(ただし、計画的避難区域の一部の水準点を除く。))
    ※大熊町は平成24年12月10日に警戒区域から、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に再編されましたが、測量作業が実施できていないことから引き続き成果を停止します。
  2. 地震後に改測・改算を行っていない水準路線の水準点

Q2 補正パラメータは成果停止地域の全域で公表されるのですか?

座標補正パラメータは、次の区域が対象外となります。
  1. 福島第一原子力発電所事故に伴い設定された警戒区域(富岡町、大熊町及び双葉町(全域)、浪江町及び葛尾村(ただし、原発から20km以内の区域に限る。)
    ※大熊町は平成24年12月10日に警戒区域から、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に再編されましたが、測量作業が実施できていないことから引き続き対象外とします。
  2. 福島県いわき市・古殿町、茨城県高萩市・北茨城市、新潟県十日町市・上越市・津南町及び長野県栄村付近の地震に伴い不整合の認められた一部の区域

また、標高補正パラメータは、顕著な上下変動(10cm程度を超える)が観測された東北及び関東地方の太平洋沿岸地域(東北地方及び茨城県)で提供しますが、次の区域が対象外となります。
  1. 福島第一原子力発電所事故に伴い設定された警戒区域(富岡町、大熊町及び双葉町(全域)、浪江町及び葛尾村(ただし、原発から20km以内の区域に限る。)
    ※大熊町は平成24年12月10日に警戒区域から、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に再編されましたが、測量作業が実施できていないことから引き続き対象外とします。
  2. 福島県いわき市・古殿町、茨城県付近の地震に伴い不整合の認められた一部の区域

Q3 2011年12月20日に補正パラメータの更新が行われましたが、すでに補正計算を行っていた場合は再計算が必要となるのでしょうか?

2011年10月31日に公開した補正パラメータは変更していませんので、すでに補正を行ったものを再計算する必要はありません。

Q4 座標補正パラメータは成果停止地域の全域で公表されるのに、なぜ標高補正パラメータは、東北地方と茨城県だけなのですか?

 今回の地震に伴い、顕著な上下変動(10cm程度を超える)が観測されたのは、東北地方及び茨城県の太平洋沿岸の地域に限られるためです。
 なお、千葉県の地盤沈下は天然ガス等の採取に伴う局地的なものとみられるため、標高補正パラメータの対象とはしていません。

Q5 千葉県においても液状化等により標高成果に変動が見られる地域がありますが、これらの地域の標高補正パラメータは必要ないのでしょうか?

 千葉県内において、液状化等により標高値の不整合が確認されている地域がありますが、これらの変動は局所的かつ複雑な変動となっていますので、補正パラメータでの標高補正には適しません。 このような地域においては、三角点等の改定成果を用いて再測量を計画していただくことが必要と考えています。

Q6 なぜ福島第一原発周辺の成果や補正パラメータは公表されないのでしょうか?

 福島第一原発周辺の区域は、原子力災害対策特別措置法に基づく警戒区域等に指定されており、これらの区域内では実際に測量作業が実施できる状況にありません。
 このため、福島第一原子力発電所事故に伴い設定された警戒区域(富岡町、大熊町及び双葉町(全域)、浪江町及び葛尾村(ただし、原発から20km以内の区域に限る。))では、 現在のところ、再測量が実施できていないこと及び補正パラメータの公表に必要な検証ができないことから、測量成果及び補正パラメータの公表ができない状況となっています。
 なお、今後、警戒区域等の見直しが行われた地域において再測量作業を実施し、順次改定成果を公表することとしています。

Q7 引き続き成果が停止される三角点の成果公表スケジュールはどのようになっていますか?

 補正パラメータが一定の精度を満たさないと判断された地域の三角点については、今後改測を実施し、順次改定成果を公表していく計画です。

Q8 日本測地系に基づく成果をパラメータで補正したい場合には、どうすればよいでしょうか?

 東北地方太平洋沖地震に伴う補正パラメータは、世界測地系に基づいて構築されていますので、日本測地系に基づく成果に東北地方太平洋沖地震の変動を補正するには、まず、世界測地系へ移行するための座標変換ソフトウェア「TKY2JGD」を使用して世界測地系に変換する必要があります。
座標変換プログラム「TKY2JGD」 Web版 TKY2JGDのURL:http://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/datum-main.html#p6
 変換後の座標を「PatchJGD」や「PatchJGD(標高版)」を利用して補正してください。日本測地系の成果を「PatchJGD」や「PatchJGD(標高版)」に入力しても正しく補正されませんので、ご注意ください。

Q9 東北地方太平洋沖地震の前に、平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震などに伴う成果改定を行った地域の公共基準点で、東北地方太平洋沖地震に伴う成果改定を行うにはどうすればよいですか?

 平成20年岩手・宮城内陸地震、平成19年新潟県中越沖地震、平成19年能登半島地震などそれぞれの地震に伴う成果改定を行われている公共基準点であれば、東北地方太平洋沖地震の補正パラメータを使用した改算だけを行うこととなります。
 以前の地震に伴う成果改定が行われていない場合には、東北地方太平洋沖地震の補正を行う前に当該地震に伴う補正パラメータによる改算を行う必要があります。
 ただし、平成16年新潟県中越地震では地殻変動が非常に複雑であったため補正パラメータは構築されていません。また、その他の地震でも震源の近傍で複雑な地殻変動が観測されている場合には、補正パラメータの非提供地域となっている場合があります。このような地域の公共基準点は、過去の地震の成果改定が行われていなければ、再測量により成果改定を行う必要があります。

Q10 成果を改定しない地域と成果改定地域(改定成果)を跨いだ測量を計画していますが、精度は確保されるのでしょうか?

 成果を改定しない地域と成果改定した地域の整合性を確保するよう、改定成果を調整して、算出しているため、公共測量作業規程の許容範囲を超える不整合は生じないと考えています。ただし、影響を最小限に押さえるため、できるだけ近傍の既知点を使用するよう心がけてください。また、測量法に定められた公共測量の手続きにより、国土地理院長から指導・助言を受けて測量を進めるようにしてください。

Q11 今回の補正パラメータによる成果改定により、三角点間の整合性は向上するのでしょうか?

 今回の成果改定は、東北地方太平洋沖地震に伴う地殻変動(正確には世界測地系導入時の基準日(1997年1月1日)から地震前までに生じた地殻変動及び地震後から成果改定の基準日(2011年5月24日)までの余効変動を含む)を補正するものです。これにより、地震に伴う変動は補正されますが、旧成果に局所的な不整合があった場合には、必ずしも整合性が高まるわけではないことにご注意ください。なお、補正パラメータによる改算ではなく、改測を実施した三角点は、整合性が高まったと考えられます。

Q12 引き続き成果が停止される水準点の改定成果はいつ公表されるのでしょうか?

 最近の観測結果のない路線については、精度の確認ができないことから、利用の状況を勘案して成果停止のままとする場合もあります。

Q13 2011年度のセミ・ダイナミック補正はどのように取り扱えばよろしいでしょうか?

「2011年度版地殻変動補正パラメータ」を平成23年6月27日に公開しましたので、新しい補正パラメータを使用してください。
この補正パラメータの適用期間は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の影響により次の通りとします。

(1)平成23年5月31日に電子基準点成果を改定した地域地域図

  2011年3月11日(地震後)~2012年3月31日

(2)平成23年5月31日に電子基準点成果を改定した地域以外

  2011年6月27日~2012年3月31日



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